Mac 版 FL Studio で Mac のサンプリング音源を使う
Mac の FL Studio は実は Windows 版
Mac 版の FL Studio や VST プラグインのインストール方法は過去の記事のこれやこれを見てください。2つ目の記事と一部かぶりますが、ご質問があったので改めて Mac の HDD 内にあるサンプリング音源を使う方法を書きます。
最初に Mac 版の FL Studio がどうやって動いているかを理解しないとこの記事の意味が分からないかと思いますので簡単な図を描きました。
FL Studio は Mac 用に作りなおされたわけではなく、crossover という Windows エミュレータの上で Windows 版のものがほぼそのまま動作しているようです。crossover は bottle(ボトル)というアプリケーションの実行環境を封じ込めた塊のようなものを読み込んで、あたかも 1台のWindows PC のように振る舞います。
FL Studio から Mac に入っている自分のサンプル音源を使いたい場合にどうするの? という疑問が湧いてくるので以下に2つの方法をご紹介します。
方法その1 FL Studio のファイルオープンダイアログから直接開く
Bottle の中で動いているアプリケーションであっても、crossover がうまいこと Mac OS X のファイルシステムにアクセスできるよう処理してくれています。FL Studio でサンプラーを使って例をお見せします。
まずは、サンプラーの音源選択ボタンを押します。
ファイル選択ダイアログが出ます。Mac の Finder ではなく Windows の Explorer 風です(中身は Windows 版なので)。初期フォルダはボトルのイメージの中にある FL Studio のフォルダです。
上をたどっていくと最上位の階層には「マイ コンピュータ」「My Documents」「/」「My Mac Desktop」が並んでいます。実はこれらはすべて Mac の HDD を指し示しています。My Documents も ボトル内ではなく Mac の「書類」フォルダを指しています。これで Mac 内のファイルを自由に選択することが可能です。
方法その2 ボトルイメージの中にコピーしておく
その1でも事足りと思いますが、例えば特定の Mac のフォルダ構成に依存したくなくて、ボトルごと別の Mac に持って行って同じように FL Studio を使いたい場合にはこの方法2が有効でしょう。
先頭の図にも描きましたが、ボトルのイメージファイルは ~/Library/Application Support/FL Studio/Bottles/ の下にあります。この中に必要なファイルをコピーしてあげれば、ボトルの中だけですべてが完結しますのでボトルフォルダごと別の Mac にコピーしても同じように動作しますし、バックアップをとっておくのも簡単です。Mac の特定のパスに依存したくない場合にはよいのではないでしょうか。
~/Library/ を Finder で開くには、Option キーを押しながら Finder の「移動」メニューを開きます。すると「ライブラリ」という項目が出るのでそれを選択します。
ライブラリの下をたどっていくと FL Studio のボトルにアクセスできます。
このボトルの下に適当にフォルダを作ってサンプリング音源をコピーします。
あとはその1と同じ手順です。サンプラーのファイルオープンを押します。
ダイアログが開くので先ほどコピーしたフォルダを開きます。このファイルはボトルの中にあるファイルです。
読み込みが完了しました。もちろん音も出ます。
この方法はボトルに音源ファイルをコピーするため、同じファイルを二重で持つことになるので無駄といえば無駄です。ただ、ボトル内ですべてが完結するが故の長所があることは先に書いたとおりです。